キューバについて話せること一つ

まだ若いときバックパッカーだったけど、
その数年後
ちゃんとデパートの下請けとして
日々汗水垂らしてたころのこと、
友達がキューバに行った。
いや、
キューバに行って財布とパスポートを失ったのはその前、
まだバイト暮らしだったころか…。
 
記憶とゆうのは、
ときどき質の悪いオカマのようで
都合良く声色を変え姿を変えてしまう。
あやふやなことは四十を過ぎると増えた。
結構しっかり覚えてたんだが、
明け方の夢みたく輪郭しかわからない。
 
そう、昼間家にいたら突然電話が鳴った、
キューバからだった。
紛失したから帰国出来ないとゆう。
まだアメリカからの圧力が酷くて
日本からは金が送れなかった。
ほら、
村上龍がつまんない映画を撮ったりして
キューバ音楽にハマってたとき、
友達もその影響をモロに被り
スペイン語を完璧に近くマスターして旅立ち、
初めての海外がキューバだからまぁ紛失しちゃうわけだ。
 
結果を言えば、
裏ルートを使い送金は出来て、
彼は2ヶ月ぐらい滞在して帰ってきた。
そしてその経験のほうが飛びきりなもんだった、
とゆうことが世の中往々にしてある。
なんとかは金を出してでもと、
今の子なら決してそんな心境ならないだろう。
 
誰だってきっとそうだろう、
わざわざ苦労してまでなんて思わない。
結果どう転ぶかわからないから、
気持ちがそうなる程度だ。
そしてオレがキューバについて語れるのもそれぐらい。
 
もし、
もし送金出来なかったら
キューバに行かなきゃならんかねと、
電話を切ったあと考えた。
大変そうだがそのぐらいならムリじゃないなと、
ベッドに転がりながら思った。
まだ若く逞しかった、
と今になりゃ笑い話だ。
ムダだとかあまりどうでも良かったな。

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by wanio1507 | 2018-11-08 19:11 | 過ぎ去った日のこと | Comments(0)