願わくばビールがあればサイコー
と思えるほど日差しギラギラ、
駅からちょっと先にある市民会館に付随する喫茶店、
たまに入る。
一人で喫茶店にしてもメシ屋にしても、
あまり入らない。
旅に出てもずいぶん迷う。
ある意味仕方なく入る。
外資系の喫茶店なんて一人で入ったことはない。
誰かに連れられ誘われでしか、入ったことない。
緊張するといえばそれまでで、
リラックスするために喫茶店なんてあるじゃないか
と矛盾が頭をもたげる。
あ、そうそう、日常の話だ。
母と姉が今朝、
シンガポールへと旅立ち、
夕飯に喫茶店でトンカツを食べた。
客は誰もおらず、
夕陽浴びるサラリーマンや学生やOLやオバサン、
それをおっきな縦長の窓からぼんやり眺めていた。
トンカツ定食はなんとなくノスタルジック、
ビールが欲しかったがなかった。
ふと、
昔よく行ってた喫茶店をね、
友達の家の近くで歯科大がそばの店の味を思い出した。
十代の終わりごろだった。
先々週、
川越で彼女の車に乗ってたら
BGMがハマショーの『19のままさ』が流れてね、
ちょうどその喫茶店のころだよ我々の19歳は。
流れたねぇ時は。
変わりゆくもの、
変わらないもの、
たぶん狭間に我々はいた。
そして今、
あなたは変わりゆくもので
オレは変わらないもの、
だからバランスを欠いている。
トンカツを食べ終え役所から出る人たちの波に逆らい歩く。
川原町のスナック街を抜け、
桜並木のある土手へと。
吹く風がようやく、涼しい。